++文章修行家さんに40の短文描写お題++

+目次+

 00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。

 01. 告白
 02. 
 03. 卒業
 04. 
 05. 学ぶ
 06. 電車
 07. ペット
 08. 
 09. おとな
 10. 食事
 11. 
 12. 
 13. 女と女
 14. 手紙
 15. 信仰
 16. 遊び
 17. 初体験
 18. 仕事
 19. 化粧
 20. 怒り
 21. 神秘
 22. 
 23. 彼と彼女 ※
 24. 悲しみ
 25. 
 26. 
 27. 芝居
 28. 
 29. 感謝
 30. イベント
 31. やわらかさ
 32. 痛み
 33. 好き
 34. 今昔(いまむかし)
 35. 渇き
 36. 浪漫
 37. 季節
 38. 別れ
 39. 
 40. 贈り物


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 00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。

  BANが挑戦します、U-DYの企画。連続更新を目標に。



 01. 告白  【65文字】 

彼の主は半眼で彼を見下ろすと、冷たく告げた。
「馬鹿が、遅すぎるぞ」
勢い良く顔を上げた彼が思わず掴んだ主の手は常より遙かに熱かった。



 02.   【65文字】

疑っているらしい奴の頬を思い切り捻る。
痛みはないのか困惑の声をあげるだけの奴が憎たらしい。
いくら俺でもこんな恥ずかしい嘘をつくか!




 03. 卒業  【65文字】

写真の彼は仏頂面で学生服に身を包んでいる。
そこでは時が進まず彼は卒業することも死ぬこともない。
ただ在りし日の姿を見せつけるだけだ。




 04.   【64文字】

懐に抱いた身体からはゆっくりと、そして確実に体温が失われていく。
計画は遂行された。
最早彼には主の旅路を祈ることしか出来なかった。




 05. 学ぶ  【64文字】

彼は勝手に物を動かされるのを嫌う。
何度それで怒られただろうか。
学ばないからではない、そうすれば怒った顔を見られると学んだ結果だ。



 06. 電車  【65文字】

「頼む、攻略にはあれが必要不可欠だ」
殿下にそうおっしゃられては仕方がない。
あの忌まわしき機械で再び血反吐を吐く羽目になった。
嗚呼。



 07. ペット  【65文字】

農園に住み着いた黒猫に名前をつけた。
その名を呼ぶと彼が生きているような錯覚を起こす。
しかしある日猫は死んだ。…また私を置いて逝った。



 08.   【65文字】

こいつは俺を大事にし過ぎる。
挿入して慣れるのを待つな!もっと激しく愛撫しろ!
何が気遣うのが癖でだ。
これでは俺が淫乱みたいじゃないか!



 09. おとな  【64文字】

自分より大きな上背、逞しい肉体。
こういったものがおとなの証とでもいうのだろうか。
ベットで腕枕をされながら、うつらうつらと考えた。



 10. 食事  【65文字】

咀嚼する彼の背後から唾を飲む音が聞こえた。
ルルーシュは舌を伸ばして口の端についたソースを舐める。
すると気配はすぐ後ろに迫っていた。



 11.   【65文字】

借りたままだった本を開くと彼の匂いが香った。
しばし迷って、ジェレミアはそれを彼の妹君に届けることにした。
これなら形見に見えない。



 12.   【63文字】

ジェレミアは睡眠を必要としない体だ。
そのことをこれほど恨んだことはない。
ルルーシュと会話する機会すら、彼の体は与えてくれない。



 13. 女と女  【62文字】

以前彼が母と妹を語る時の顔は輝いていた。
だが今では苦しげで、多くを語らない。
ジェレミアは彼の運命を呪わずにはいられなかった。



 14. 手紙  【65文字】

自分宛の遺書を読んだ時スザクは宛先を間違えてるとしか思えなかった。
だがこれを彼に届けて貰いたい不器用な友人の意図を唐突に理解した。



 15. 信仰  【64文字】

肉体を地位を名誉を失ったジェレミアは研究所で知った彼の真実が心の支えだった。
それがあったから、こうして彼の側にいることが出来る。



 16. 遊び  【65文字】

ルルーシュは己に言い聞かす、これは遊びに過ぎないと。
ジェレミアも戒める、これは主の遊びなのだと。
決して本気になってはいけないのに。



 17. 初体験  【64文字】

どんな命令にも異議を唱えず見返りも求めず従う存在などルルーシュには初めてだった。
ギアスとは違う、心からの忠誠がくすぐったかった。



 18. 仕事  【65文字】

貴方の命を聞くことを仕事などと思うはずありません。そんな言葉で切り捨てないで頂きたい。
珍しく主に反論する彼を、主は好ましく思った。



 19. 化粧  【65文字】

土気色を隠すファンデーションは彼に似つかわしくない。
男の癖に化粧などと彼が憤慨して起き上がるのをもう少しだけ待ってもいいだろうか。



 20. 怒り  【65文字】

掛けられた水が前髪を伝い頬を濡らす。
ルルーシュは恐ろしい形相で目をギラギラとさせている。
そこで漸くジェレミアは自分の失言を悟った。



 21. 神秘  【65文字】

普段は閉じられているジェレミアの左目を、ルルーシュはそっと触れる。
自分の呪いを消せる唯一のもの。
その奇跡のような存在が有難かった。



 22.   【65文字】

悪い子は死んだ魔王にさらわれてしまうよ。
子供を叱るそんな噂が流行った。
嘘だとわかっていても、ジェレミアは自分もさらって欲しかった。



 23. 彼と彼女  【64文字】

どんなにお慕い申し上げても、自分はあくまで臣下にすぎないのだ。
共犯者たりえるC.C.にジェレミアは諦めまじりの羨望を時に覚えていた。



 24. 悲しみ  【64文字】

計画を聞いたジェレミアは眼を見開いて表情を消した。それが反論しない彼なりの悲しみの表現だと主が理解したのは彼がやつれた時だった。



 25.   【64文字】

剣が彼の胸を貫いていくのをジェレミアは見るしかできなかった。
彼が死に行くというのに、鼓動を刻み続ける自分を消してしまいたかった。



 26.   【64文字】

ルルーシュはようやく悟った。
自分は彼を連れて逝きたかったのだと。
一人で死ぬ寂しさ。
これも罰なのだろうな、と込み上げる血を吐いた。



 27. 芝居  【65文字】

ルルーシュが愛していると囁くとジェレミアは瞬く間に戦果を上げた。
そうだこれは戦略なのだ。
ルルーシュは芝居なのだと言い聞かせ続けた。



 28.    【65文字】

ジェレミアはルルーシュとの性交でも裸体を晒すことはない。
機械と融合した体を醜いと考えていたからだ。
ルルーシュにはそれが残念だった。



 29. 感謝   【64文字】

ルルーシュがオレンジ事件について詫びたがっているをジェレミアは薄らと理解していた。
だからこそ彼は声高に現状の充実ぷりを語るのだ。



 30. イベント  【65文字】

即位を祝って上げられた花火にルルーシュは顔を顰めた。
ジェレミアにはその表情の意味が分からなかった。
だが彼の遺言で全てを把握できた。



 31. やわらかさ  【65文字】

ジェレミアの肉体は引き締まっていて抱きしめられると痛いほどだ。
けれど柔らかさの欠片もないその肉体をルルーシュは愛してやまなかった。



 32. 痛み  【64文字】

どこかの貴族に雇われた暗殺者はルルーシュに躍りかかる。
咄嗟に庇ったジェレミアの血が舞った。
しかし彼は笑う。
この痛みが誇らしいと。



 33. 好き  【65文字】

その言葉がルルーシュの口から出ることはない。
けれど彼のふとした仕草からジェレミアはそれを感じ取り、ただそれだけで幸せを覚えていた。



 34. 今昔(いまむかし)   【64文字】

健全な肉体で主を持たぬか欠けた肉体で主を持つか。考えるまでもない。
主を持たない人生の味気なさを彼は二度と味わいたくないなかった。


 35. 渇き  【63文字】

夜中に目を覚まして、隣にぬくもりがある安堵感。
狂おしい飢渇をルルーシュを覚えることは、隣にジェレミアがいる限り二度となかった。



 36. 浪漫  【65文字】

ジェレミアは胸に秘めたる野望がある。
提案しては一蹴されるが、男の夢だと挫けはしない。
「殿下、是非この猫耳をつけてはくれませんか!」



 37. 季節  【65文字】

初夏にオレンジの収穫を迎える。
その度にジェレミアは思い出す、自分と主の年の差がまた開いてしまうことを。
広がるそれがもの悲しかった。



 38. 別れ  【63文字】

悄然とした顔でゴミ箱を見つめるジェレミアにルルーシュは冷たく言い捨てた。
「観察日記だなんて、貴様は俺のストーカーか、気色悪い」



 39.   【65文字】

彼を自分だけのものにしたいのに、それは無理な話だった。
やりきれずに爪を噛む。

「殿下その爪どうなさったのです?」
「そういうお前こそ」



 40. 贈り物  【65文字】

俺を忘れ生きろと書かれた手紙にジェレミアは首を振る。
拝した忠義の名をどうして忘れられようか。
背後には眩いオレンジ畑が広がっていた。