無題2

「ルルーシュ様、ルルーシュ様!」
「……なんだ」
「ルルーシュ様大変です。小説に私が一遍たりとも出ていませんでした。名前すらあげられていません」
「ふぅん。それで?」
「その、以上です」
「ほう、お前はたったそれだけのためにこの俺を煩わせたというのか。なんて主想いの臣下だろうな」
「……恐縮です」
「そんな忠臣には何か褒美をやらんといかんな。さて何がいいだろうか」
「私は別に褒美など! むしろ今の殿下からは謹んで辞退申し上げた」
「そうだ、この俺直々に剃毛してやろう。どうだ嬉しいだろう」
「殿下、剃毛といいますのはつまり……」
「メンテナンスの際には毛があると何かと差し支えるだろう。盲腸では治療のために陰毛を剃ると言うしな。喜べジェレミア卿。貴公の為にわざわざ時間を割いてやるのだから。なに、別に俺が小説のナナリーや母上の心情に衝撃を受けて放心状態の時に、お前の出番がないくらいで俺に慰めて欲しそうにしている心持ちが気に入らないというわけではないぞ。さぁ嬉しいだろうジェレミア卿、俺に構ってもらえるのだ」
「あの、出来ればもう少々一般的な恋人同士の触れ合いを致しませんか」
「恋人? 誰と? 誰が?」
「……何でもありません。よろしくお願いいたしますルルーシュ様……」
「そうこなくてはな。そういう聞き分けの良いところ、愛しているぞ」
「YES,your majesty……」
Written by BAN 0320 09

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